フィールドスタッフブログ
2011/06/04

『琵琶湖のシャローから:大荒れの5月』 (中村 大介)


みなさん、こんにちわ。
今年の5月は、きっと琵琶湖に通い込んだ方でも体験したことが無いような大荒れの5月だったのではないでしょうか?
大雨(含む台風)、大風、そして全開放流。それによる大増水、強い濁り、流れ。

僕も今年は、試合の度に大雨やら、大風。
本来、状況の大きな変化に対応力があるのがフリッパーだとは思うのですが、今月はそんなに単純にいきませんでした。
その中にフィールドに関して、釣りに関して、多くの学びがありました。

実際、この記事を書き始めた5月末にも、台風による大増水と全開放流が発生していましたので、
最終検証のために平日に半日だけ時間をとって湖に出てきまして、自分なりの結論を得ました。
この日はシャローのフリッピングだけに半日を費やして、59cm/55cm/50cm、他2本とライギョを釣りましたが、
魚体や釣れ方として、もともと産卵後にシャローに居残っていた魚という印象でした。
つまり、この時期に大増水という変化があっても、魚はそれを理由にシャローに差す、というまでの変化はしないのではないかと  考えます。

ただし、もともとシャローに残っていた魚が更にポジションを上げるというのはあり、それがフローティングマットの更に内側の    プールで浮いていたりする様子をよく見ましたし、
ミドルレンジでも湖流を避ける動きはあったと思いますが、それで も、差す、というほどではないということです。

それは試合結果からも推測しています。
僕自身の試合の結果は次の通りです。
・5月9-10日 B.A.I.T. 第二戦:26位/28人 1430g(2本)
・4月24日 ポパイライトウェイトチャレンジ第一戦:下位/約50名 2240g(2本)

いずれも5本リミットの大会ですから、非常に厳しい結果であり、実際、バイトをもらうこと自体が難しい展開でした。
一方で優勝するには、5本10kg以上(一日)が必要になっており、そのスコアを出してきたのはサイトフィッシング
系の釣りでした。
次いで、産卵後の魚を狙って、沖で展開した釣りでも上位に入り込んでくる選手が出てくる一方、いわゆるシャローマンは     軒並み苦戦している、と。

このような結果を見ると、特に産卵に直接関係してくるこの季節、やっぱりこの季節の王道の釣りが強いってことです。
もちろん、話を聴いていると、その中でも状況変化への釣り方の細かい対応は必要になってきており、
例えばサイトフィッシングにしても例年は深いレンジの個体が大きいという声が多いのに対して、今年は極めて浅いレンジに    良い魚が居る、といった傾向もあるようです。

では、フリッパーとしては何をすべきだったか、ということですが・・・サイトフィッシングが主流のパターンとなる時期でも、      得意でない釣りよりも、得意の釣りで押すことに可能性はあります。
主流パターンで勝つには、その中での煮詰め方のレベルや、人の流れ、さらに状況変化といった要素も絡みますから、      意外と勝ちきるのが難しかったりもします。
つまりサイトフィッシングほどの破壊力がある釣りであっても、主流のパターンを敢えて外すというのは、一つの可能性ではあると 思うのです。
(例えば先月のライトウェイトチャレンジで優勝できたのが良い例ですね。)

一方で今回のシャローの釣りが難しかったのは、私が思うには、
・見た目の良さからシャローを釣る人が、普段の季節感からはあり 得ないくらい増えたこと
・大増水によって、魚がポジションを上げて、散ったり、またカバーへの依存度が下がったことのように推測しています。

一つ目は、ひとつのエリアをじっくり釣っていると入れ替わり立ち替わり人が入ってきて同じストレッチを流していくので、
もともと季節的に多くない魚の、一人当たりの量がさらに減るということが容易に想像できます。

もう一つは、前述したようにプール状のエリアに浮いている魚がとても多く観察されました。
このこともあって釣り方を少しアジャストする必要があり、例えばフロッグやライトリグの釣りをしている方がフリップしているより
バイトが多い傾向でした。
といっても、例えばフロッグの釣りなどはサイズも期待できてインパクトはあるのですが、試合時間中にリミットを決めきれるかと  いうと今回ではかなり難しい印象ではあり、やっぱりサイトフィッシングの試合だったということだとは思います。
それでも釣りの幅は広げる価値がありそうだと思えました。
このあたりは自分でも課題にしていきたいと思います。

------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ということで、今回のまとめを僕なりにしてみると、
・産卵期は産卵行動に極めて忠実(当たり前かもしれませんが)。
増水に対する動き方も早春や夏?秋とは違う。
・産卵後の魚を釣ること、散っている魚を釣ることを考えるとライ
トリグやトップウォーター/フロッグといった引き出しも重要。という感じでしょうか。
何かご参考になれば嬉しいです。

それから、こんな状況なので、今月に良かったアイテム、ということではないのですが、6月に間違えなく活躍するだろう       アイテムをご紹介ということで2点。

まずは、ついに発売になる、スパイダーワイヤーです。
僕はこれをサンプルで使い始めてから、他のブレイドラインには一切、手を出していません。
正直に言えば、サンプルを使い切ってしまってから、個人輸入でアメリカから仕入れていました。

 

 


すべてスパイダーワイヤーでヘビーカバーにアプローチして引っぱりだしてきたもの。
先月の記事と重複しますが、ハリと滑りの使いやすさが圧倒的で、ガイドへのトラブルや植物系のカバーへの引っかかりが    激減したと実感しています。
価格もお求めやすい価格になっているはずですので、ぜひお試しいただきたいのと、あとは色落ちや表面の毛羽立ちを感じたら ぜひ巻き替えをして性能を保ってください。
私が思うには、ブレイドラインへのダメージはフッキングによるスプール内での食い込みが最大要因ですので、先を切り詰めて  いっても限界があるのです。
300ヤード、約270mちょっとだと45mづつ巻けば6回使えます。

それからHAVOCシリーズ。
どれもデザインに明確な意図が感じられますね、さすがにトップアングラーが創ったものということでしょうか。
いずれのアイテムも使い込んでいきたいですが、特に一つを今あげるとしたら・・・ピットボス、でしょうか。
6月も中盤を過ぎると、琵琶湖の水位は大幅に下がります(水位調整の計画により)。
すると、成長してきたカナダ藻系の植物が水面上まで突き上げてマット状になり、また初期ほど、良い魚が釣りやすいはずです。
そのマットを釣っていくのに、突き抜け/アクションの大きさ/フッキングの兼ね合いの良さが、このデザインから大いに期待     できます。
使い方のカギとしては、フックですね。
明確にストレートの大きなフックを使うためのデザインと解釈しています、アメリカ製のストレートフック5/0が僕は良いと       思います。
このセッティングでしっかりフッキングできれば、カバーに絡んで魚がなかなか抜けてこない、ボートを寄せなければならない状態で
も魚は外れません。



6月、これまでの大荒れで季節の進行がいつもとは違う琵琶湖で、これらのアイテムとともにその時の魚をしっかり追いかけていく楽しみを存分に味わいたいと思います。
みなさんも良い釣りを!


・・・・・・・…・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このレポートは、
・自分の得意なシャローでの釣りをトーナメントで検証して気づいたフィールドや釣り方の情報
・その際のピュア・フィッシングのアイテムの使い方、活用のアイディアをお届けすることを目的にしています。

ピックアップアイテム: HAVOCピットボス/スパイダーワイ ヤーステルス



 次へ »
「新緑が眩しい季節」