フィールドスタッフブログ
2011/04/26

『いいスタートです!』 (中村 大介)


このブログをご覧いただいているみなさん、初めまして。
中村 大介と申します。
私は主に琵琶湖や旧吉野川でバスフィッシングに取り組んでいます。
中でも、離れていた時期もありますが、トーナメントに参加するのがとても好きで、                             それは自分含めた参加者がベストを尽くして魚を釣ろうとしたその結果を見られると、
自分にとってその時のフィールドの理解が進む、魚釣りの答え合わせが進む機会になってくれるからです。

また、バスフィッシングの面白さの一つに幅広さがあるのではないでしょうか。
水深数十センチ?10m以上までに住みますし、また同じ魚とは思えないほど釣り方の種類も幅があるように思います。
その幅の面白さを感じ、また過去には色々試しましたが、現在の私自身は敢えて、ごく浅い場所でフリッピングをする        釣りに主軸を置いています。
これは自分自身の魚釣りのセンス(天才では全くありません)や取り組める状況(私は釣りとは直接は関係のない仕事をして、   必ずしも毎週末に湖に出られるわけではありません)を考えるとテーマを明確に絞り、そこから全体像を理解するようなやり方が、
私には合っているように思うからです。

そんなことで、このコーナーで私ができることとしては、トーナメントという、釣りの一つの検証の場面、中でも特にシャローでの  釣りを通して気づいた、ピュア・フィッシングのアイテムの使い方、活用のアイディアを月に一度程度、ご提供していけたらと    思うのです。
それが、トーナメントに参加する方はもちろん、バスフィッシングにこれからより深く取り組んでいこうとする方
(目に見えるものを釣るのは基本のひとつかと思います)や、大物狙いの方(サイズを追うことは私のテーマの一つでもあります)、
あるいは、ヘビーカバーでのエキサイティングな釣りが好きな方・・・のお役に立てれば嬉しいです。

今回は、そんな趣旨にあった、いいご報告ができるつもりです。
先日2月27日に琵琶湖南湖を会場に開催されたNBC京都チャプター「下野正希カップ」に参加、                    3匹7450g(55cm/50cm/50cm位)を釣り、準優勝することができました。
それを題材に、早春のシャローの釣りについて、私なりのポイントをお伝えしてみたいと思います。

当日の湖のコンディションとしては、湖全体の水温が大間か8度前後、ワンドの中などで10度を超えて来ている状況。       あくまで早春です。
そんな中、前日プラクティスでは条件の良いところ(=この時期であればやはり暖かみが大切、そういう風を防いで太陽が当たる、いわゆるプロテクトエリア)にカバーの濃さに応じて1/2oz?1ozのテキサスリグを入れていくと、本当に良いところではバイトが 得られます。
決して多くはありませんが半日で5バイトあったことで、日曜日の混み具合、大会という時間限定を考えても魚は何とか釣れるか
もしれないという印象を持ちました。

一方で、気になるのは、得たバイトをフッキングせずにテンションをかけてルアーを離させていたのですが、
そのバイトの出方やテンションをかけた時の手応えから魚が小さいと思われたこと − おそらく30?40cm前後と思われる    軽さでした。
唯一、少し大きめと思われる魚が来た場所が一箇所あり、他の場所と比較すると私なりには水深の違いを感じました。
私の船には魚探がついていませんが、リグの着底した感覚からして小さな魚がバイトしてきたのは水深30?40cmくらいの
ごく浅い場所。
一方で、やや大きめの魚が着いていたのは、80cm近くありそうな深みのある場所。
前者の魚も手堅い感じがしたので迷いましたが、質の高い釣りをするなら、そして勝敗に絡むなら・・・という基準で、後者の深みの
魚を狙うことにしました。
といっても、南湖全体で見て、自分が描くようなスポットはそんなに多くありません。
12ftの小型船である自分が大会時間中に回れる距離感も考えると、イメージできるスポットは4箇所。
ただ、この時期はタイミングも重要になるので、その4箇所に入り直そう、と決めていました。

用意したタックルはフリッピンスティック3本で、ハイギアのパトリアークパワークランクに、スパイダーワイヤー65lb<プロト>
を組み合わせ(これがカギになります/後述)。
そして、それぞれに1/2oz、3/4oz、1ozのテキサスリグを準備。

 



開幕戦として緊張感のあるミーティングを終えて釣りを開始したのがほぼ9時頃でした。
一箇所目をじっくりと1時間ほどをかけて丁寧に釣って、バイト無し。
そんなカンタンに釣れる時期ではないからと焦らずに、二箇所目に移動、またじっくりと、魚のポジションをイメージしながら、
またカバーの濃さに応じてシンカーの重さをマメに変えながら(竿を持ち替えながら)丁寧に釣っていきます。
すると10時半頃に最初のバイト、リグを押さえ込むような重たい、大型のバイトに反応してフッキングすると水生植物が爆発し
たような激しい水柱が。
55cmがカバーから出て来て、無事にネットイン。
リグを結びなおして、あらためてフリップし始めると10mもいかないうちに次のバイト、これも反応できて50cmを取り込みます。
この段階で表彰台は決まったように思え、何より自分の釣りができたことで満足感いっぱいだったのですが、
昨年の開幕戦もビッグフィッシュ2本で満足した自分がいましたので、昨年の自分を超えるべく、プラン通り、最初のストレッチ
への入り直しを図ります。

すると朝には無反応だったスポットで、押さえ込むようなバイト!
フッキングと同時にカバーから出たものの、狭い場所だったため、突っ走った魚がすぐにカバーに突っ込みそうになります。
その時、サポートをくれたのがレボ パワークランクでした、ロッドで走りを吸収しながら、かなり強引に巻き上げて魚をこちら
に向けることに成功、これも50cmくらい。
ハイギアの巻き上げ効率、そしてしっかりしたトルクがかなり強引なランディングを可能にしてくれました。

時間にして12時くらいでしたが、自分のすべきことを120%やりきった感覚で、大満足したので、そこで釣りを止めて        ウェイインに戻りました。
結果として、7450g、2位でしたが満足感は変わりません(会心の釣りです!)し、自分がこれだけの釣りをしたのに        更に上(3本で8kg以上)があることを知れるのが、これまたトーナメントで答え合わせをする魅力と思います。

 



ちなみに、1位はワンド内の地形でのシャロークランク、ゴロタ石を釣っていったようですので自分の魚より一段深い感じと     思います。
やっぱり2月末はまだ春の走り、そういう釣りの方がより強い訳ですね、自分よりも魚が一回り大きかったですから。         いい勉強になります。

さて、今回釣った場所は、エリアで言えば下物内湖/山ノ下湾という定番場になります、船もそれなりに多かったです。
そんな中でも釣れるかどうかを分ける、細かいポイントとしては、一つは上記のように「シャローのカバー」とひとくくりにせずに   地形からスポットを絞り込むこと、そのためにはまず釣っている場所の水深をリグの着底の感じから把握することが、基本ですが、一つ大切、と私は考えます。

それから、シンカーの重さについての使い分けもポイントと思いました。
いろいろな考え方があり、例えば敢えて重めのシンカーを使ってリアクションを誘発するという発想も当然ありですし、
今回は私はカバーをすり抜ける中でもっとも軽めのものを使うというシンプルなやり方でした。(軽い方がミスバイトが減るのでは、
という期待をしました。)
そして、そのシンカーの使い分けをサポートしてくれたのが「スパイダーワイヤー」なんです。
この釣りはPEの優位性が高く、これまでもいろいろなPEを試してきました。
その経験上、去年の秋から試させていただいていて、普通のPE(何本ヨリであれ)に比して糸のハリと滑りが適度にあるんです。
ハリと滑りがあると、何が良いか・・・そう軽いシンカーが使えるんです。
水生植物に接したときの摩擦感が違います、軽めのシンカーでもスルッと入ってくれるんですね。
(今回も1/2ozと3/4ozで結局釣っているのですが、おそらく1ozクラスで釣っている人も多いようなスポットと思います。)
植物の葉っぱに接して「ビビッ」と擦れた音が出るのも激減。                                         ガイドへの絡みも、もちろん、激減。
この辺はもともと、日本の"PEライン"が船釣り用からスタートしているのに対して、アメリカの"ブレイドライン"はキャスティングが 前提だから生まれた違いではないか、というピュアの方の解説に「なるほど!」ってうなづいてしまいます。
ちなみにスパイダーワイヤーは、ピュア・フィッシング・ジャパンで発売に向けて動いているそうです、                 発売の暁には、ぜひお試しいただきたいと僕は思ってます。
僕は65lbを使っています、合わせ切れを防ぎ耐摩耗性を高めるために必要十分な太さです。
昨秋からラインブレイクは一度も経験しておらず、その一点を見ても他のPEに比した優位性を感じます。


ということで、春のシャローの魚により近づこうとするスポットの突き詰め方、タックルセッティングの突き詰め方について、     少しでもみなさんへのヒントがあればと思います。
スポットは釣りながら水深を感じながら、釣れた魚にヒントをもらいながらイメージし絞り込んでいく。                  (今回ならプロテクト×水深がカギ。)
タックルにおいては掛けたら取り込めるタックル(パワークランクもそのヘルプになると思います)、そしてより釣りやすいタックル
を(ラインのセレクトで釣りも変わります)。

最後にひとつ、とても大切なことを。これからの時期、どのフィールドでもシャローには魚と同時に「人も差してくる」と思います。
ぜひ一声かけあって、気持ちよく釣りをしませんか。僕も気をつけているのですが、それでも人によって常識や解釈は違うようで 残念な思いをしたことがあります。
気持ちよく釣りができていると、そして徳を積んでいると良い魚にも巡り合えるはず。
もちろん、他魚種、ヘラやコイも産卵期に入りますから、一発大物狙いで一生懸命やってます、そういった釣り人とも         いいコミュニケーションできるよう頑張りませんか?
(僕もヘラ釣り、すっかり好きだったりします。笑)
みなさん、いい釣りを!












 次へ »
『マイフェイバリット・パワーバルキーホッグ3"』