フィールドスタッフブログ
2013/01/10

『はじめまして、ファンキー山岡です。』 (ファンキー山岡)

僕のファーストヒラスズキは、ロックショアジギングでの
ヒラマサ狙いの時のゲストだった。
何度か姿を見せていた黒い尾鰭の磯の勇者との出会いは
衝撃的な結末で僕の手に収まることとなった。
その後、ゲーム性が高く難易度も高いヒラスズキに
心を奪われる事となる。
この僕のファーストヒラスズキは、またどこかで書くとして、
今日はピュア・フィッシング・ジャパンのフィールドスタッフとして
シ―ドライバーを初めて振った釣行記を含めて磯ヒラスズキを
書いていこうと思う。

第一回目と言う事も有り、実釣・テクニック以外の事も書くが
自己紹介の代わりと受け止めて頂きたい。
釣行先は、いつも楽しませて頂いている和歌山県の南紀地方だ、
釣り以外では温泉が世界的に有名で外国からの観光客も多く訪れている。
その中でもヨーロッパや欧米からの観光客の多さは南紀地方の温泉が
世界に認められている証の様に思う。
皆さまも和歌山へ釣行の際は是非、温泉も楽しんで頂きたい。
磯ヒラスズキゲームで重要な事は、まずは安全です。
この事はあちこちで書いてきたので見ていただければ良いのだが、
ピュア・フィッシング・ジャパンでの初めての原稿となる今回、まさかの手抜きでは駄目だ。
皆さまも今一度、確認して頂きたい。

 


装備は、どこのメーカーの物でも、どんな物でも命を保証する物など
この世には存在しない。
ただ装備は「絶対」であるが過信してはいけないと言う事だ。
ライフジャケットは絶対に着用しなくてはならないが
安全への注意は最大の力で挑むのだ。
たとえば町での普通の生活でも同じことでズボンもパンツも
履かないで駅前を歩く者など居ないであろう。
先輩ヒラ師から見れば、無装備は、この行為と何ら変わるものではない。
しかし装備とスタイルが有る事は事実で装備とスタイルの違いを
ココで少し伝えることとする。
ウエットスタイルは、決して泳ぎ回り沖の磯に渡るための物ではない。
少しのスリットなどを渡る水に浸かり渡る事は有るのだが、
よほど慣れた者でしか出来る行為では無い。
スリットにも流れの有無が有り、そして水に入る事の危険は荒れの
大小に関わらず危険な行為と認識し二人以上で行い二人同時に入水する事無く、
一人が無事に渡る事を確認し合うように順番に行う。
本来は水に浸かる事無く歩いて行ける範囲で撃ち進み
ポイントをプランするべきであり、立ち位置も大きなウネリを
食らう様な場所には立たないコースマネージメントをする事が
ゲームの難易度を上げエキスパートアングラーの釣技に近づける事である。
ウエットスーツは万が一海に流された時の体温維持と浮力、
擦り傷から身を守る為と考えるのが王道である。
ウエーダースタイルもその装備から立ち位置を考慮したゲーム性は高く
難易度が高いコースマネージメントを強いられる。
ウエーダーの落水時の危険を熟知した者のみが許される装備である
決してウエーダースタイルが磯ヒラスズキゲームで駄目なスタイルでは無い。
レインスーツや防寒着でのスタイルも同じで立ち位置や天候に応じて
チョイスする事で、装備に応じた立ち位置の束縛を自分で持つ事である。
そしてライフジャケットは浮力を考えてその日のウエアに有った物を
必ず着用しなければいけない。

磯ヒラスズキゲームが危険と言われるのは、すこし乱暴な言い方ではあるが
『荒れている』海に行くからである。
危険な状態の海に行きたいのではなく「サラシ」の有る景色の海に
行きたいのである。
よって適度なサラシを作る適度な波やウネリが必要なのだ。
そのサラシがゲームを面白くする重要なファクターなのであるから
磯ヒラスズキゲームはたまらない。
サラシを作り出す事の出来る地形、そしてサラシと大きな関係が有る波、うねり、
そして風の向きを考えて入る磯を選ぶのだが、潮位を読みそこねては
まったく始まらない。それは磯の根やシモリ、スロープ状の磯や岩やオーバーハング、
その他と海水面との関係を忘れてはならない事だ。
そしてサラシというファクターにベイトや太陽の位置などを追加していく。
どれも重要なファクターの一つ、しかしどれが欠けてもヒラスズキは「釣れる」。
そう!釣れるのだ!ただ「サラシ」だけは欲しい。
それは、サラシがゲームを面白くしているからだ。
ここでは、一にサラシと考える方向で入磯を解説してみる。
サラシは「シェイド」とも考えられる。
出来ては消えるシェイドと考えるとゲームの組み立てとコースマネージメントが
面白くなってくるでしょう♪思わず♪(音符)を書いてしまうくらいです。
家の書斎でこの原稿を書いている今も「サラシ」「コースマネージメント」などと
キーボードを打つと頭の中に海が現れサラシが広がり
「どこに投げ」「どこを通し」「どこで見せ(見せない)」「どこで食わす」などの
コースマネージメントが浮かびます。
このコースマネージメントが磯ヒラスズキゲームの実釣における
最大の攻略ワードとなる。
厳密の言うと上記の動作に「ファイトするゾーン」「ランディングポイント」まで
マネジメントし「思いのとおりに」となった時に最大の喜びを得るのである。
よって魚のサイズは二の次となる。
そんな事を考えながら磯ヒラスズキゲームに夢中になっている
僕は和歌山県南紀地方のとある駐車場に立った。
今日はピュア・フィッシング・ジャパン アブ・ガルシア シ―ドライバーの
シェイクダウンである。
このロッドの設計を担当したピュア・フィッシング・ジャパンの清水氏と
打ち合わせをした時に氏のロッドへの熱い思いを聞いていた僕はロッドの
スペックから一本を選び磯へと持ち込む。
NSDS-106M-PW 南紀地方の磯ヒラスズキゲームには少し短いが
大きな岩などを交わさなくて良いポイント、を選び当日のプランを立てていた。
もうひとつロッドのレングスとポイント選びで重要な事は足場と水面までの距離である。
高場からのリトリーブはやはりロングレングスが有効である。
しかしそこはポイント選びのプランニングでなんとかカバーできる
「天候」に救われたが、本来スピニングリールにおける磯ヒラスズキゲームは
「やはり」ロングレングスのロッドが釣技、安全共に星の数は多いだろう。
NSDS-106M-PWが幸運を呼んだようで当日は北西風が入りキャスタビリティーを
強く要求される「NSDS-106M-PW向き」と言える海の状況にあった。
向かい風の立ち位置に立った時もピンに打ち込めるキャスタビリティーは満足で、
咄嗟に「ここぞ!」に撃ち込める安心感は釣果への確信へと変わる。
それは、一般的には「悪条件」と言われる中での釣技を行う事となる
磯ヒラスズキゲームにおいて「撃てない」事はゲームが始まらないのである。
勿論、今後のピュア・フィッシング・ジャパン アブ・ガルシアの磯ヒラゲームを
完全ターゲットと捕えた展開に期待は得大であるから「磯ヒラスズキゲーム専用」の
展開には目が離せない。
実釣しばしで狙い通りの着水からのリトリーブでピンスポットで
明確なバイトにズバッと反応しフックオン!
カレントを掴む感度も良くのりも良い。
予定どおりのファイトゾーンでファイトし無事にキャッチした一尾は
コンディションの良い個体でした。

 




青物などと違いヒラスズキは無暗にベイトを追いかけ回し食らいつく事は少なく、
ストラクチャーなどに身をひそめて捕食のチャンスを待っていると考える。
しかしヒラスズキの体は大きく安易にその存在がベイトフィッシュにばれてしまう。
そのためサラシはうってつけの隠れ蓑である。
そして波やウネリによる複雑な流れやカレントの流れで小型のベイトフィッシュなどは
遊泳が困難で、早く泳ぐ事より強く泳ぐ事の得意なヒラスズキからすれば、
旨いレストランが500円で食べ放題の日の様なもので、
旨い食事に在りつけていて活性が高い。
しかし荒れた海でのホバーリングは体力の消費と危険が伴い海と言うサバンナでは、
遊泳力が勝る海の勇者ヒラスズキと言っても幼魚の頃の経験からか、
どこにでもステイしている訳では無い。
敵にもベイトフィッシュにも見つからないように身を隠しながら
安全に且つ捕食できる位置に陣取っていると考える。
そう考えてサラシを眺めているとヒラスズキがステイしている
ピンスポットが見えてくる。
水面だけを見ていてもその流れや色からボトムの形状が伺える様になれば、
幻のヒラスズキとまで言われた魚を毎釣行コンスタントに
キャッチ出来る日が来るだろう!
くれぐれも安全釣行と自己責任の四文字は忘れてはイケナイ。

 

こちらでも呟いてますのでご覧ください。

 ファンキー山岡(禁煙中)      @funkyyamaoka




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