サイモン下村氏インタビュー
アメリカ・フロリダ州のトレードショーで、それまで存在しないと思われていた5500CDL仕様のブラウンのプロトタイプに出会った。
それが現在、うらしま堂渡辺つり具店さんの所有となった品物である。この単体は、大きな論議を巻き起こしえる存在である。
62年に登場したAMB.5000 De Luxeは、初めて金メッキを施されたアンバサダーで、しかも初のボールベアリング搭載モデルであった。
以後、5000 De Luxeは改良が加えられて5000C De Luxeと改称された。これはABU社が細軸モデルをAモデル、クリッカー付きモデルをBモデル、そしてボールベアリング仕様モデルをCモデルとして名称整理した方針によるものである。
62年以来、金メッキが施されたモデルにはすべてボールベアリングが搭載されているが、この5500CDLブラウンのプロトタイプにはブッシングが搭載されている。しかもこの単体には76年に登場するミラーフィニッシュ90mmパワーハンドルのアームを金メッキしたものが搭載されている。ブラウンのサイドプレートが金メッキパーツ群とこの上ない色合いの調和を見せている。しかもパワーハンドルが示すとおり、このリールが単なる飾り物でなく、夢の大物と渡り合うためのすごさを秘めた一品であることが読み取られる。
私はこのプロトを生産化することにした。仕様はあくまでもブッシング搭載。ハンドルには標準でカウンターバランスを装着し、ハンドルアームに24Kメッキを施した90mmパワーハンドルをスペアとした。ここに「影だった存在」がいよいよ日の目を見ることになった。