フィールドスタッフブログ
2013/04/12

『なぜ、クランクにはナイロンなのか』 (木村 建太)


今回はクランクベイトの釣りにおいてのライン選択について書いてみようと思います。

シャロー、ディープを問わず、ぼくの現在のクランクベイト使用時の

ナイロンライン使用率はほぼ100%となっております。


なぜナイロンなのか?答えは「釣りの効率を上げるため」に他ならないのです。

フロロとナイロンを大きく分別した時にアングラーが考えるべき違いとは、

比重による水中でのラインの入り方の違いです。
リトリーブ時に水面からルアーにかけてのラインの入り方が、

フロロはわりとルアーに対して一直線に近い、

真っ直ぐな形で入るのに対し、ナイロンはその軽さゆえ、弧を描くように、

水圧で湾曲しながら進んできます。
「ん?じゃあフロロのほうがええんちゃうの?」というのが、一般的にフロロを使う人が多い理由。

ですが、

よく考えて欲しい。

 

リップラップ、レイダウンやブッシュ、ベジテーションなど、

複雑な場所を攻めてなんぼのクランクベイトの使用状況において、

ラインが一直線であるのがどういうことかと。
フロロだと、ストラクチャーにルアーがコンタクトする前に、

ラインが擦れながら進んでいった後に、クランクベイトのリップがコンタクトします。
ナイロンだと、多くの場合、ラインがうまくストラクチャーをかわして、

クランクベイトのリップが最初にコンタクトする可能性が上がります。

ここでのナイロンの利点は


①ラインに対するダメージが少ないため、結び変えの頻度を大幅に減らすことができる。

 

②小さな隙間にラインが挟まるのを防ぐことができるので、

  ルアー本体がガッツリスタックする可能性が大幅に減らせる。

 

③特に陸っぱりにおいては、足元でうまく浮き上がってくれるので、余分なスタックが減り、

  ルアーのロスト率が減る。

 

クランクベイトの回避力をより一層上げるため、釣りの効率を上げるためには、

クランクベイトをリップからストラクチャーにコンタクトさせ、

ルアー本来の性能を引き出すことができるナイロンに圧倒的に分があるというのが実践から得た答えです。
フロロを使うのは、手持ちのクランクをボートで、よっぽど足元まで深く潜らせたい時だけ。


この春の琵琶湖では、リップラップでのクランキングが好調でしたが、このライン選択により、結び変
え頻度が減ってキャスト数が向上した事が密かに大役を担っていたと言えます。
フロロを傷だらけのまま使用していて、デカい魚にラインブレイクされたとい

う経験がある方も少なくないのでは?

 



昨年より、クランクベイトの開発と同時に密かにテストし続けていたこのライン。

スパイダーワイヤー
ウルトラキャスト アルティメイトモノ


 PFJオンラインセレクトショップ Ultimate Mono(アルティメイト モノ)




強度があり、低伸縮で、

 

かつウルトラキャストの名に恥じないキャスタビリティー。
ぼくが知る範囲で、現時点で世界が誇る、最強のナイロンラインだと確信しています。


ナイロンを語る上で、どうしてもクリアしなければならない問題があったのですが、

その一つが強度の問題。
国産のナイロンとアメリカ産のナイロンでは、比べものにならないほど

アメリカ産の方が強いというのがいろいろ使ってみての、正直なアングラーとしての意見。
分子結合の成功度の違いなのでしょうか?

全米シェアの大半をナイロンが占めているアメリカでは、ナイロンのレベルがかなり高いと感じさせられます。

もう一つ、ナイロンが持つ問題は、伸縮性。
ナイロンは伸びがあるため、「感度が悪い」「伸びがあるからフッキング時の『ぐにゅっ。』って

感じが気持ち悪い」などがありました。


アルティメイトモノを初めてリールに巻いてみた時「あれ?これフロロだったっけ?」という感覚になりました。

クランクベイトの動きが手に取るように伝わってくる感覚と、

フッキング時の伸びの無さは、他のナイロンでは類を見ないものです。

クランクベイトの、ライン比重による潜行深度の違いについても、ズバ抜けて飛距離が出るため、

かえって同じ太さのフロロより深く潜らせることが可能になってしうという恐ろしいモノです…

 


日本ではPFJオンラインショップでのみの発売となる予定ですが、

一度体感して欲しい、オススメできるラインです。

ただしフロロに比べ、ナイロンは水を吸うことによる劣化は起こるので、巻き替えの頻度は2~3釣行
に1回くらいをオススメします、330ヤード巻きのため、1スプールで3台くらいは巻けるのでお得です!

 

 



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