1921

時計製造メーカーであったHALDA社の倒産によって、ABUの創業者となるカール・オーガスト・ボーストローム(Carl August Borgstrom)は彼の息子のイエテと数人の従業員を雇い入れ、Svängstaのベテル教会跡に「AB Urfabriken」を創立。当初は時計やタクシーメーターの開発・製造を行う工場でした。

1926

懐中時計と電話度数計の製造を続けていたABU社は1926年にタクシーの料金メーターのRECORD(レコード)を発表。自動車の普及が急激に進むなか、ABU社は大きく飛躍します。

1934

ABUの創業者となるカール(Carl August Borgström)が亡くなり(享年63歳)息子のイエテ(Göt eIngvar Borgström)がABU社の社長を引き継ぎます。

1939

第二次世界大戦の勃発により、車の交通が規制されるようになり、主力製品であったタクシーメーターの需要はまたたく間になくなっていきます。幼い頃から父カールとしばしばモラム川に釣りに行っていたイエテは、タクシーメーターに代わる新たな製品として釣り道具に目を向けていきます。

1941

第二次世界大戦の影響によりスウェーデン国内へのリールの輸入が止まっていた状況に、イエテは自身でキャスティングリールを設計、製造していました。そして1941年に、かつて販売していたタクシーメーターの商品名である"Record"という名を受け継ぎ、4機種のキャスティングリールを発売。発売された4モデルはRecord1500,1600,1700,1800で、それぞれ各25個、合計100個のリールを完全ハンドメイドで製造しました。またこの年、ペブコ社などOEM製品の生産が始まり社屋が手狭になり通りの向かいに新たな社屋を建造し移転しました。

1945

第二次世界大戦が終結したころ、ABU社は新しい機構を搭載したベイトキャンスティングリールを発売します。 後年開発されていくモデルに大きな影響をもたらす、遠心ブレーキ機構を搭載した”Record Sport 2100”です。この機種は、当時盛んだった”キャスティングの距離を競う競技”スポーツキャスティングで多くの記録を生み出しました。また、同年頃からABUという名称をルアー等の多くの製品に用いるようになり、釣り具メーカーのABUとしての認知度を上げていくようになります。

1948

今日まで続くABUの製品カタログ『Napp och Nytt』の発行がスタート。 釣りのはじめ方や、魚種の知識、釣り体験などについての記事も多く含まれ、読み物として楽しめるカタログは人気を集めています。

1951

ABUはスウェーデン王室御用達の名誉に授かります。 このときからABU社の製品はシンボルマークとして国王の徽章をつけるようになりました。ABUの品質が国に認められた瞬間です。クレストマークと呼ばれるこの徽章は、今なおアブ・ガルシアのシンボルとしてアンバサダーリールなどにつけられています。

1952

アンバサダー(大使)と名づけられたこのベイトキャスティングリールは、遠心力ブレーキ、スターホイールのドラグシステム、フリースプール、レベルワインド、ブロンズベアリングといった当時最新の機構を搭載し、深紅のアルミニウム製のサイドプレートは象徴的なデザインとして以後も長くABUのアイコンとして親しまれています。 『Record Ambassadeur 5000』の発売によって1952年はABUにとってエポックメイキングな年になりました。 Ambassadeurの開発者は元ダイキャストメーカーでエンジニアだったエイク・ムーバル(Ake Eugen Murvall)でした。

1955

既にABU社では1949年から「RECORD500」というスピニングリールを販売していましたが、この年、初めてABUの名を冠したスピニングリール「ABU444」が発売されます。このリールは、ABUのスピニングリールの代表作である「CARDINALシリーズ」へと受け継がれていく契機となった一台となります。

1955

この年のNapp och Nyttに掲載されたハードルアーがHi-Lo(ハイロー) 6段階式の可変リップを持ち、トップ~ボトムまでフルレンジを泳がせることのできる当時としては画期的なギミックを持つルアーでした。

1956

クローズドフェイスのユニークなリール「ABUMATIC」を発表。 ベイトキャスティングリールの欠点であるライントラブルを軽減する機構を装備したこのリールは、エントリーモデルとして世界中から注目を集めることとなります。誰にでも扱いやすいリールに仕上がった「ABUMATIC」は、ロングセラーを続け、今なお世界各地で多くのアングラーに愛用されています。

1959

英語版のABUの製品カタログ『Tight Line』の発行がスタート。 様々な釣り具新製品、多くの釣行レポートをともなったカタログ発行は2002年まで続きました。

1961

Record、Diplomatなど既にABU社にはロッドのシリーズがいくつかありましたが、 1961年のTightLineに「軽量で強く、ロングキャストが可能なZoomアクション」と謳われ、スタートしたZoomシリーズ。様々なロッドシリーズが生み出されていきます。

1962

Ambassadeurの最高級モデルとして「リールのロールスロイス」などの呼び名も与えられている黒と24金でボディをあしらったAmbassadeur 5000 DeLuxe(デラックスモデル)が発表される。同機種には初めてボールベアリングが搭載された。

1965

Cardinal66,Cardinal77が発表される。 自重400gを超える大きめのスピニングリールでしたが、基本的な構造やデザインは完成されており、以降、小型化されていくカーディナルシリーズの基礎となりました。 カーディナルという名称は"枢機卿"を意味しています。

1966

Ambassadeur 5000C(ボールベアリング採用)発売。 5000Cの末尾についた「C」とはボールベアリングを意味しています。ボールベアリングを採用したAmbassadeurは飛距離も伸び、現在に至るまでの基本的機能の完成を見ます。Ambassadeur 5000Cは大ヒットし、その後もABUの代表的なモデルとなりました。日本の小説家、開高健の著書にもたびたび登場しています。

1972

ビッグゲームにも対応したAmbassadeur 7000も発売されました。同年、Ambassadeur 5001Cとして左巻きモデルが登場しました。

1975

ABUのスピニングリールといえば、このモデルを挙げる人は多いのではないでしょうか。 今日まで愛される名機『CARDINAL 33』が登場したのは『ABU444』の発売から20年後の1975年のことでした。インスプールに高性能なスターンドラグを搭載し、フェザーリングのしやすさなど、繊細な釣りを実現した画期的モデルの誕生でした。いまなお、日本の渓流シーンでも絶大に支持されています。

1977

ABU社が最初に工場として使っていた建物を博物館としてオープン。 1930年代の組立ホールと機械工場はまだ元の状態にあり、ほとんどの機械は完全に機能しています。展示では、歴史の中で製造された時計やタクシーメーターなども見ることができます。

1979

ABU社はアメリカでの販路確保のためにガルシア社を買収しました。

1984

会社名はABUからAbuGarcia(アブ・ガルシア)に変更されました。

1985

一部樹脂素材のボディを採用し伝統的な丸型ボディを変更。 レベルワインダーが、キャスト時にフリーになるフローティング・レベルワインドやフリッピングボタン、オートマグ機構も搭載され、現在のロープロファイル&マグネットブレーキ機種の先駆けとなったモデルでした。

1989

ABU初のロープロファイルデザインのリールを発売。 グラファイト樹脂製のボディで大幅な軽量化を実現し、コンパクトなサイズ感を実現。パーミングもしやすく、当時、バスフィッシング人気が高まりつつあった日本においても多くのバスプロが使用するモデルとなりました。

1995

今江克隆プロがトーナメント戦に厳しく求める性能にAbuGarciaが応えたトーナメントチューニングモデル。 翌年には打ち物系専用の左ハンドルモデルとなる「アンバサダー 4601C DDL IMAE」を発売。"デュアルディールコンセプト"というスタイルを提唱し、それまでほとんどが右巻きリールだったベイトキャスティングリールに左巻きもという選択肢を普及させました。両モデルはABUの博物館にも飾られています。

2001

AbuGarciaの日本総代理店であったマミヤ・オーピーが釣具事業から撤退。日本市場における総代理店制度を廃止し、日本支社としてピュア・フィッシング・ジャパンがAbu Garciaブランドの日本国内販売を開始。

2006

AbuGarciaの最新の技術を盛り込んで開発されるロープロファイルリール『Revo』シリーズがローンチ。同年Revo STX,Revo SX,Revo Sを発売。

2011

ソルトロッドシリーズのSaltyStage(ソルティーステージ)シリーズがローンチ。日本の多様なソルトシーン、釣種に合わせたロッド設計を行い、多くの人気モデルをリリース。その後も同シリーズのリールやルアー等、多くのソルト関連製品が開発されました。シリーズ10周年となる2021年には最新の技術を盛り込みシリーズがフルリニューアルします。

2012 / 2013

ベイトフィネススタイルの隆盛。小型軽量ボディに超軽量のシャロースプールを搭載したRevo LTXは トップトーナメンターである河辺裕和プロ、青木大介プロ、小森嗣彦プロにも使用され多くの大会で勝利をもたらしました。 2013年には今江克隆プロのシグネチャーモデル「Revo LTZ」が発売され、レーシング仕様の感度の高さは大きな注目を集めました。 その後も”ベイトフィネスリールのAbuGarcia”として多くの支持を得ながら、今日までのRevoシリーズ開発に繋がっています。

2016

軽量リアルフィネスデザインのスピニングリール『Revo MGX』が登場。 「COGギアデザイン」「C6カーボンローター」「One piece X-Mag™ギアボックス」「ロケットラインマネジメントシステム」といった これまでにない機構を搭載。新たなAbuGarciaスピニングリールの礎となるモデルが出来上がりました。

2016

これまでのソルトゲームの在り方を一新する画期的な性能を持つ『SaltShieldベアリング』が登場。 撥水コートを内部、外部全体に施し、回転異音の原因となる塩ガミ現象を激減。 回転フィール・耐久性を大幅に向上させることに成功しました。

2017

ブランクスの素材・設計・製法のすべてを見直し、ロッドの基本性能「強度、重量、感度」を徹底的に追求した「Triarchy Force 製法」を実現。圧倒的な強度向上と軽量化を実現し、ブランクス性能を革新的に向上させることに成功。

2020

AbuGarcia初となる日本市場向けデジタルカウンター搭載船用小型リールの発売。バックライト付きのデカ文字カウンターにより、タイラバ、バチコンアジング、ライト五目、タチウオテンヤ等水深情報の必要な沖釣りを快適にした。